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DEAN & DELUCAはなぜ人が集まるのか?採用の裏側を公開 ~FMX×ツナググループ・ホールディングス共催セミナーレポート~
FIELD MANAGEMENT EXPAND(以下、FMX)とツナググループ・ホールディングス(以下、ツナグ)との共催セミナー『採用ブランディングこそ最強のブランディングである。DEAN&DELUCAを展開する株式会社ウェルカム人事責任者が語る、新卒採用事例からみる採用ブランディングと企業価値のつくり方-』が2026年2月6日に開催されました。

採用市場の現在地と人を惹きつける採用活動
本セミナーは、FMXとツナグが共催でDEAN & DELUCAを展開する株式会社ウェルカムの人事責任者・人事室統括 鈴木祥太(すずきあきたか)氏と人事室マネージャー 金子有咲(かねこありさ)氏をお招きし、「採用」を起点とした企業価値向上の仕組みを探るべく行われたセミナーです。
当日は、ツナグの御子柴淳也(みこしばじゅんや)氏によるプログラムから始まり、採用市場の現状と課題について、少子高齢化の影響で極めて厳しい「超売り手市場」により求人倍率が高騰し、企業間の獲得競争が激化している実情について解説しました。
そこで、FMXの荒井から、その際に重要になるのが求職者に対して他社との違いを明確にするブランディングであり、その本質は従業員ブランディングであると説明を行いました。

ウェルカム 鈴木氏と金子氏による講演:経営の成果につなげる「事業成長のための採用」とは
続いて、ウェルカムの人事ご責任者・鈴木氏と金子氏が登壇し、採用ブランディングを通じてどのように次世代人材と関係を築き、経営の成果につなげる「事業成長のための採用」を実践してきたのか、同社の新卒採用事例を用いて解説しました。

同社では、採用担当者全員が現場経験者であり、創業者の想いを現場の言葉に翻訳する役割を担っており 「店舗を最大のメディア」と捉え、実際の店舗で説明会を実施しています。スタッフのリアルな雑談や空気感を伝える手法や、300名以上の社員ストーリーを可視化した「タレントブック」を活用し、面接前に深い共感を生む工夫などの具体的な取り組みが共有されました。
最後に、採用ブランディングは「内側の実態を外側の評判へ繋げるサイクル」であり、社員一人ひとりが誇りを持って働く姿こそが最も伝えたいメッセージを届けられる採用コンテンツであると締めくくりました。
三社によるトークセッション:採用担当者による現場(店舗)の理解力が求職者へ誠実なコミュニケーションを届ける
その後、ウェルカムの鈴木氏と金子氏、ツナグの御子柴氏、そしてFMXの荒井によるトークセッションが行われました。
トークセッションでは、来場していただいた参加者の皆様からの質問も交え、採用を「経営の最重要事項」と捉えるウェルカムの事例をもとに「経営と人事チームの目線合わせはどう行っているのか?」「ブランド力が高いから人が集まるのか?」「現場と人事の距離感をどのように繋ぐのか?」などといった、採用担当者が現場で直面する課題に対する議論が行われました。
まず、採用基準の目線合わせについて、鈴木氏は同社の代表と3年間にわたり最終面接における合格・不合格の理由を突き合わせる作業を繰り返したことを明かしました。
この徹底としたすり合わせのプロセスを経て、代表の感性や評価軸がチーム内で「阿吽の呼吸」で共有されるようになり、どのような人を”ウェルカムらしい”と感じるのかが、チーム全員に浸透していると述べました。金子氏は、新卒採用では特に、将来のリーダー候補としての主体性を見極めるため、自社のなかみ(価値観)との共感度について丁寧な対話を重ねながら見極めていることを強調しました。

さらに、ウェルカムのブランド力の強さについて、鈴木氏と金子氏は、採用担当者による店舗の理解力が重要であり、店舗の営業統括と同じくらいブランドやブランドメンバーのことをよく知っている採用担当者になることを目指して、店舗に足を運び現場の一次情報を掴むことにより、現場の理解力を深めているという実体験に基づいたエピソードを明かしました。
FMXの荒井は「ブランドが持つ”おしゃれなイメージ”や”カッコいいイメージ”などの外見のみではなく、店舗スタッフの会話や自然な空気感、表情といった実態を可視化している」と分析し、これに対し御子柴氏は、採用担当者が自ら一次情報を掴んでいるからこそ現場の苦労や喜びを自分ごとで語ることができ、求職者へ響く誠実なコミュニケーションができていると解説しました。
従業員の声から「自社らしさ」を発見できる
プログラムの最後には、FMXからクリエイティブディレクターの坪井悠介・北村拓司が登壇し、多くの企業の人事担当者が抱える課題に触れながら、戦略の純度を下げずにアウトプットへ繋げるFMX独自のメソッドを用いた採用ブランディング事例を紹介しました。

「人事は会社のOSである」─内側の実態が最強のブランドを作る、エンプロイヤーブランディングの真髄とは
FMXの坪井は、かつて採用現場で人事担当者が直面していたジレンマや、組織が抱える構造的な葛藤を目の当たりにした実体験から語り始めました。
採用、評価、育成といった人事の仕事は、本来「会社の中枢(OS)」を構築し、企業の文化そのものを形作る極めて重要な役割です。しかし現実には、短期的な採用数という「数字」だけで語られ、その本質が見失われがちであることに警鐘を鳴らしました。
こうした経験から辿り着いたのは、単なる「外向け」の広告施策にとどまらず、企業文化や働く人の実態という「内側」に深く潜ることから始まるブランディングの姿です。内側の良好な関係性こそが、外側の確かな評判を作っていく。
だからこそ、表面的な答えを提示するのではなく、企業ごとの「らしさ」を共に見つけ出し、変化を生み出す伴走者でありたいと強い決意を語りました。

企業の「らしさ」をアウトプットへ繋げる:具体的な採用ブランディング事例を紹介
続いて、FMX 北村からその企業が持つ「マインド(哲学)」「アクション(行動・文化)」「フェイス(温度感)」を抽出し、会社が存在する意義となる「コンセプト」や課題解決までの道すじや意義を伝える「ストーリー」を、その企業の「らしさ」として戦略の純度を下げずにクリエイティブのアウトプットへ繋げる、FMX独自のメソッドによる複数の事例が紹介されました。

事例のひとつが、崇高な使命を掲げる、とある公的機関のリブランディングです。
その使命は誇るべきものですが、求職者視点では全体像が理解しにくく、さらに具体的な業務内容のイメージも湧きづらいことで、採用の現場では「親近感が欠如していること」が課題になっていました。 そこで私たちは、イメージを180度転換するユーモアたっぷりのコミュニケーション戦略を提案。この大胆なリブランディングが「あの機関がここまでするのか!」という驚きを生み、多くの求職者の心を動かしました。
結果として応募者数は前年比140%に急増し、ギャップを武器に組織の新しい顔をつくり上げた事例です。

FMXは、ソリューションによる答えを提示するのみではなく、企業の規模や業態によって異なる固有の悩みや課題に寄り添い、共に変化を生み出すパートナーでありたいと考えています。今後も、戦略・企画・制作を分断させない「一気通貫」のクリエイティブで、企業の採用力と組織力の向上を支援してまいります。
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コンサルティング事業部による公式noteでは、クライアントとの伴走を通じて蓄積された実践知をベースに、「新規事業」、「CX/EX(顧客/従業員体験)」、「ブランディング」、「セールス・マーケティング」などのテーマを多角的に掘り下げ、日々の実務に役立つ情報をお届けしています。
FMX コンサルティング事業部 公式note